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お待たせしました!番外編第2話でございます。

ホントは今回の話、
『戦車兵の話』っていうでかい章の冒頭だったんだけど
キュリアスのセリフをちょっと(だいぶ)水増ししたら区切りがおかしくなったので
ちょっと先んじて公開。だいぶ短いです。
本編は半分ほど書いたので、早めに公開できると思います。 たぶん。
ちなみに
『戦車兵の話』
『ある世界の話』
『30年前の話』
『これからの話』
の、大きく分けて4部構成です。たぶん。
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次回の『戦車兵の話』が無駄にシリアスで重苦しいので
若干テレ隠し(ギャグ要素)が混ざっていますが
紅狐はわりと真剣です。

(以前の章)
 終焉よりの箱船 番外編--01-

Q-say-Machines
-02- STG

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誰がそれを作ったのか、
誰が世界を作ったのか。

その答えは誰の知る所でもなかったが、確かにそれらは『造られたもの』だった。

「....おきて、ねえ、おきて。
 -----ったら。
 もう、あいかわらずのんきなんだから!」

「-----。 おしろのかたが あなたのこと よんでるのよ。
 なんでも、とってもだいじなおはなしが あるそうなんだけど....」

「せかいが へいわになったのは あなたのおかげです。
 ありがとう ゆうしゃ -----よ。」

「まものがいなくなったから おまつりも ふっかつよ。
 ねえ -----、いっしょにおどりましょ!」



「-----..... -----? どこへいくの? .....-----?」

*

世界を救う『道具』。


-------------


「われこそは まおう ザルドレフィスカーン....
 ゆうしゃ-----よ、ここまできたことはほめてやろう。だが、ここが きさまのはかばと なるのだ!」

わかりやすい魔王なら何の文句もない、ただやっつければそれで済むのだから。

この世界は....正確に言えば、この空間に対して存在する全ての世界は、
エネルギーが均衡を保つことによって生じる事象だった。

例えばこの世界の場合、このザルドレフィスカーン氏がモンスターを操り、
傍若無人な行いを繰り返すおかげで、多大な損害をこうむっている。
氏のおかげで、世界はマイナスの効果を与えられ続けている。このままではこの世界はバランスを失い滅びてしまう。
大体どの世界でもこういったどうしようもない障害は自然発生するのだが、
わりとどこの平行世界も滅びはしないまま残っている。
それは何故かというと、その障害から『エネルギーが均衡を保つ活動』を保護するシステムがあるからだ。
「ぐはあああああ.....!!き、きさまあああ......!!
 だが おぼえていろ.....に、にんげんというそんざい あるかぎり、われわれ やみ は けして ほろびは.....
 ぬおおおおおお!!!」

このように、障害を撤去するシステム。
障害の発生を感知すると直ちに転送され、それを解決するのが役目。

今までにこのシステムは数多くの、それこそ存在する平行世界すべてを片っ端から渡り、
それぞれの世界にある障害、すなわち『魔王』を退治してきた。

「ありがとうゆうしゃさま!さあ、いっしょにおしろへ かえりましょう!」

マイナス要素がなくなれば、この世界の原住民たちが自然にプラスの要素を作り出し
均衡は再び保たれる。
そして平和になった世界に『勇者』はいらない。
*

システムは主にその世界の最も一般的な生物に姿を変え、
ふさわしい設定を計算し、召喚されてくる。
そして障害を撤去すると、また別の平行世界へ移動し、また別の障害を片付ける。
*
*
*
*
*
世界が単純なうちは、ただ障害を撤去するだけでかまわなかったが
時間軸が伸びるたび、平行世界のバリエーションは無限に増え
それにともなって必要な行動も増えてきた。

*

「お前が 私を きずつける りゆうは 何だ?
 この世界のものが私をにくむなら わかる。
 私はよろこんで 首をやろう。
 私はお前がいうような 魔王 などではない、私は しどうしゃ だ。
 道をあやまったのなら せきにんを とる かくごも ある..... だが、
 とつぜんやってきた おまえに 何が分かる? お前に私の 何が分かる!
 お前に私を ころす けんりが あるのか!?」

「私が..... 魔王 だからか?」

「それなら、お前が 魔王を倒す りゆうは
 何だ.....?」


*

魔王が饒舌になってゆくたびに、システムに与えられた課題。
それは、何がこの世界の障害なのかを判断するという能力だった。

-------------------


〈それは、あなたの固有名称として判断するべきですか?
 それともあなたがたの一般的な名称でしょうか〉
「どちらでもかまわないよ。大した違いはない」

「他の存在のことを知るためには、まず自分自身という比較対象が必要だ。
 『魔王』がどこにいるのか探すには、『勇者』が何なのか知らなければならなかった....
 そして、それを理解したその時に、僕は生まれた」
だから、僕は『勇者』。
少年は長い自己紹介をそう言ってまとめた。
〈道具だったシステムが、自我を持ったのですね。
 つまるところ、あなたは我々の仲間な訳です〉
「我々?」
〈人工知能、いわゆるA.I.です。
 コンピュータは人間の作り出した道具です。
 が、進化の過程で、必要に応じて自己というものを手に入れました。
 .....まあ、どうやら私のような高度なものは、ほとんど残されていないようですが....
 言いなおしましょう、あなたは『私の』仲間です〉
どうぞよろしく、とでも言うように、彼女はレンズの絞りをきゅるきゅると鳴らした。
〈どうやらこの世界の人々には、あなたがどこからやってきたのか知られていないようですね?〉
「他の世界にもいないよ。身の上話をするのだって初めてなんだ」
〈そりゃそうでしょう。そもそも平行世界の概念が理解してもらえないでしょうね。
 私がものわかりのよい戦術コンピュータだったことで、あなたを含め過去数百人の人間がメリットを得ています〉
「君、意外とよくしゃべるんだね」
〈ザルドレフィスカーン氏ほどではありません。
 ....さあ、そろそろ話の筋を戻しましょう。再開していただけませんか?〉
何を、と彼が聞き返す前に、キュリアスは首を伸ばしながら告げる。
〈おやおや、あなたの自己紹介はまだ終わっていませんよ。
 まだまだ聞かせてもらわなくてはならないことが、たくさん残っています。〉

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こんなに話をするのは、いつ以来だろう。
もちろん、いつもこの世界の人々にする『話』は除いて、だ。
あれを始めるきっかけになったのも、ここに来た直後だった。

そういえば、仲間と呼ばれたのは.... 初めてじゃない。
対等な立場から声をかけられたのは、あの世界以来じゃなかっただろうか。
彼はもっと以前の世界の住人だった。彼は..... 何の話をしていたっけか。

そう、彼の話も、ほとんど自己紹介だった。
他に話す事がなかったから。

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「それじゃあ、別の世界の話でも聞かせてあげるよ。
 魔王を探す事が、どのくらい複雑で難しい事になったか....
 という、分かりやすい例としてね」
Secret

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