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さて、結局短く分割したので今日中に後悔できました。(字が違う
連日短くてすみません。
一日でも休んだらそこでストップしてしまうような脅迫感に襲われています。
だが、8月中に終わらせるとこの報告書に誓ったのだ!

(ログ)
01 02 03 04
終わりを消す者達の(欠番)章 ~たった一人の大切な家族~
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『きっと、ポチもお腹が空いてるに違いない』
 この世でも指折りの食いしんぼならではの、その発想だけで今こうして待ち伏せている訳なのだが、
 徐々に自分自身が滑稽な気分になってきた。
 そもそも、犬ってピザ食うのか?
 

 その延長線上の、封鎖された大通りの行き止まりでは、3人がポチとピザの到着を待っていた。
「ねーサム姉、サム姉」
 パワードスーツのつまさきを叩いて話しかける。
「さっきのハナシなんだけどさあ」
「あたしもずっと気になってたんでしゅけど....」
 顔を見合わせるピンクだまたちをバイザーごしに見下ろして、彼女はうなずいた。
「おそらく...いや、間違いなく、『突然いなくなった』という所からが嘘だ」
「ウソ?」
 確かに、先の話ではおかしな点がいくつもあった。
 まず、突然姿を消したポチが、薬を投与されて帰ってきた事。
 捕まえて実験に使った動物を、わざわざ親切に飼い主に返すだろうか?
 それも、薬がうまくいけばバイオウェポンになると分かっている動物。
 街で見つかったら局に捕縛されるのは当然だし、
 そこから薬を作ったのがIG-ロウ製薬と特定されるまでに、そう時間は必要ないだろう。
(....この会社が局に捕まることはない、という前提は置いておいて、だ)
 そもそもケンネル少年は住所不定だ。聞き込んで居場所を特定したのなら
 会いにくることもできるだろうが、ポチの飼い主が彼だとどうしてわかるだろう。
 それにそこまで努力して返しに来る意味もわからない。
「カービィ、プリン。この街で、金も住む場所も、頼る相手もないのに
 そう長い事生きていけると思うか?」
「うーん....まあ、多分僕は大丈夫だけど。ゴハンさえあれば」
「お子様と犬が一匹じゃ、いくらなんでもそのうち苦しくなるんじゃないでしゅかねえ。
 まず寒いでしゅよ」
 プリンの言う通り、雨と風と高層ビルの街・シティ25は、建物の外で暮らすには厳しい環境だ。
 ....だが、だからこそ機会はあるというか、
 少しでも金か自分の能力を持っているなら、建物の中に住むのは難しくない。
 100円でも持っていれば裏通りの静かな廃墟に身を寄せる事が出来るし、
 食物の物価はおおむね安い。
 何か活かせる事があるなら、その土地で有力なもののもとへ行けば
 環境がどうあれ働くための場は提供してくれるだろう。そして金を手に入れるのだ。
 (このブロックの局員にノコノコが多いのは、生真面目でうたれ強い性分の彼らが
  治安維持改正局で働くのを好むからでもある。以前はカメの王国があったのだが。)
 そう、何はともあれ、『人に提供できるもの』さえあれば生きることはできる。
 そんな世界なのだ。
 .....ケンネル少年は何か、稼ぐ手だてを持っていたのだろうか?
 そしてポチは。
「これは私の推測にすぎないが....」
 たぶん真実だ、と彼女は付け加えた。


 広い道の真ん中に、しょんぼりとピザの箱が置いてある。
 箱は開けたままで、中に入っているドッグフードやジャーキー、肉など
 犬の好みそうなトッピングがたっぷりのLLサイズ焼きたてピザが
 周囲に何とも言えない香りを漂わせていた。
 どこまでサービスのいいピザ屋なんだ。乗せる具まで細かくオーダーできるのか?
 今度どこのピザ屋なのか聞いておこう、とフォックスは思ったが、
 だんだん冷静になってくると、
「(.....これ、別にピザじゃなくても良かったんじゃ....)」
 と、とても当然の考えが浮かんできた。

「!」
 だが、幸いな事に、ピザが好きな相手のようだ。
「....こちらフォックス、目標を確認」
 通信機に話しかける。
 裏通りから這い出てきた巨大な犬は、明らかに不自然な犬用特製ピザの周りを
 不審そうに尖った鼻で嗅ぎ回っている。
 ケンネル少年の話が本当なら、裕福な暮らしではなかったらしい彼の犬は
 とても鼻が利いて、探し物が得意なのだ。
《準備はいいでしゅか?》
「ああ。そっちは」
《超オッケー!》
「よし。それじゃ....」
 犬の様子を見ながら、彼は両手と片膝を地面に付き、もう片方の足を伸ばした。
 クラウチングスタートの体勢を取ると、靴のかかとに装備された『次元加速装置』が青く光り出す。
 最高速度を出すと4秒しか持たなかったのだが、
 実は先日友人(カエル)がおもしろおかしく改造してくれた。
 おかげで一週間ほど誰もいない超加速次元に閉じ込められ、孤独な思いをする
 という事故が起きたのだが、それはまた別の話。
「行くぞ!」
 警戒を解いたポチが今まさにピザに口をつけようとしたその時に、
 彼は超高速で飛び出してそれを奪い去った。



「うおおおおおおお!!!」
 とりあえず高速で走りだすと、人は叫びたがる。
 追われているとなるとなおさらだ。
 おいしそうなピザを目の前で奪われたポチは、案の定怒り狂った様子でフォックスを追いかけてきた。
 律儀に閉じたピザの箱を抱きしめて、フォックスは走る、走る、走る!
 LLサイズのピザは箱も大きいので持ちにくい!
 加速次元『イリュージョン』の中では、自分以外のものは
 すべて静止しつつも、青い陽炎のようにぼんやりとして見える。
 だが、これは今まで体験した事がなかったので気づかなかった事実だが、
 自分と同じ次元(速度)にいる存在ははっきりくっきりと見えるようだ。
 ポチの触手のような毛が襲いかかり、とっさに彼は右前方へ飛ぶ。
 長く広がっている黒いコートのすそが、指二本ほどかすめ取られた。
 くそ、また縫わないと。
 このままだと危険だ、と判断して、彼は少しスピードを上げた。
 真後ろにいるポチが少しだけ遠ざかる。
 もう大通りを端から端まで走りきるような距離を走っているのだが、
 現実次元ではまだ30秒ほどしか経っていないはずだ。
 この装置を開発し、そしてこの間改造して、その後故障を直したスリッピーが言うには
 限界は最大速度で1分。
 次の角を曲がって裏通りに入り、もう一度曲がれば隣の表大通りに出る。
 その突き当たりまで走りきればゴールだ。
 毛の槍を避けながら、彼はコートはともかく、自分の尻尾は大丈夫なのかと
 一瞬不安になった。こっちは縫って補修する訳にはいかない.....
 ぼんやり青く光る路地を二度曲がり、最後の直線へ飛び出した。
 角で引っかかったか、ポチの姿が少し遅れる。
 だが、確実についてきているだろう。風でピザが冷えた気がする。
 視界の遠くの方に、大通りがまっすぐ伸びるのを遮っているビル群が見えた。
 よし、間に合う!

 ....そう思ったせいかどうか、かかとが音を立てて赤い火花を上げた。
 見る見るうちに周囲の青いもやもやが薄くなっていく。
 思いっきり減速しているのだ。
「何ィ!?」
 路地から、変な角度でポチが飛び出してきた。
 どちらへ行ったか、獲物の行方を見回している。
 もうちょっと頑張れ!とばかりに、フォックスはかかとを地面にぶつけながら走る。
「どうしたんだ!?まだ時間には余裕があるはず.....」
 スリッピーは他にも何か言っていた。何だったか、確か....
 ピザを抱いたままかかとを視界の端で見て、彼はやっと思い出した。
『電池はアルカリ単三2本だよ!充電池使うならエネループあたりがオススメかなあー』
 そういえば今日は、すでに何度か使っている。
 限界は最大速度で一分 ....って、まさか、『最大充電時』の稼働時間か。

 自分自身の全力で走りながら後ろを見ると、電池はいらないポチが
 青く光り出している所だった。
 このままじゃピザごと食われる。

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To Be Continued....
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Q.普段よりテンションおかしくないですか?
A.眠いのです。
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