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アザーエム終わっちゃったし!
メタルマックス母上に貸しちゃったし!
ポケモンまだ買えないし!

というわけで、せっかく『アレックス・ザ・アンデッド』というオリキャラを作ったので
その背景を補完する小説など書いてみようかと思ったのであった。
(俺単独の)オリキャラ話ひっさびさに書いた。本当にひっっっっさびさに書いた。
あれですわね、いつぞやの始末屋さんたち以来ですわね。あれ厳密にはオリジナルとは呼べないけどね。

とりあえず05話くらいで終わらせられたらいいな!と思っております。
いつかと違って、今の俺にはポメラ様がついているので執筆スピードは倍速くらいになっている自信がある!
ホントかよ!大丈夫かよ!

というわけで
伺かでアレックスをお使いの皆様も、
今回初めてこいつしゃべってんの見るわーという方々も、
ちょっと久々の紅狐テイスト小説(くどくて厨2気味)ですので、よろしければぜひお楽しみくださいませ。


*その前に*
世界観が世界観だけに某ラスイレの数倍グロかったり気持ち悪かったりするのを目指してます。
(大した事ないとはいえ)少々ご注意ください。何しろポストアポカリプス×ゾンビ野郎だからな!!

----アレックス・ザ・アンデッド 1-01----






そこに科学はなかった。

そこにもはや科学はなかった。
文明と呼ばれたものの、何もかもが滅びていた。
煉瓦色の大地のあちこちには、巨人が匙でえぐり取ったような穴が空き、
その中をよどんだ風がゆっくりと吹き抜けていく。

荒野の中に、石造りの遺跡が並ぶ場所があった。
崩れかけた無数の塔が傾きながらもお互いを支えあい、
未だかつての世界の栄光を失うまいとそびえている。
その間を縫って伸びる、果てのないかのようにどこまでも続く道は
継ぎ目のまったくない、ざらざらとした不思議な石でできていた。
塔の窓であったらしき部分には、きらきらと透明で光る何かがわずかに残っている。
道も塔もぼろぼろに痛んでいたが、まだその過去の姿は面影を残していた。
だが、そのそれぞれが与えられていた本来の名は、科学の起こした災厄とともに、
人間たちからは永久に忘れ去られているのだった。


歪んで輝く太陽の光が、よろよろと道を行く一匹の犬の背中を、容赦なく照らしている。
毛は一本残らず抜け落ちてしまい、肌はぼろぼろに焼けてしまった
みすぼらしい姿の犬は、世界の全てに宛てた恨み言のように
唸り声をあげ、後ろ足を引きずりながら歩いている。
ふとうなだれた首をあげると、先の道の端に、見慣れないものが目に入った。
目の中では、薄い紫色をした細長い植物が、ひらひらと風に揺れていた。

身体に残る全ての力が、その植物へと足を急がせた。
利かなくなった鼻をこすりつけ、匂いを嗅ぐ。
もう長いこと何も口にしていなかった犬は
息を荒げ、抑えきれないよだれをだらだらと流しながら、その不思議な色をした植物に噛みついた。

そして、キャン、と一声鳴くと、コロリと死んでしまった。



この遺跡の周辺には、動物はおろか、植物も根を下ろすことはなかった。
あまりにも『呪い』の力が強すぎるのだ。
この世界に生きるものすべてに与えられた『呪い』は、
彼らを生きながらの地獄に引き留めると同時に、
荒れ果てた大地で彼らが生き続けるための力を与えてもいる。
この植物もまた、より強い呪いの力によって
灰色一色の遺跡の彩りとなることができたらしかった。
呪いを受け入れるものは生き延び、
その力に耐えられぬものは死に絶える。
災厄の日以降、それがこの世界の掟となりつつあった。

そしてまたこの遺跡には、あの紫の草同様に
身体の髄から呪われている者の姿があった。

塔と塔の間の、強い日差しから身を隠せる場所に腰を下ろしていた彼は、
立ち上がって目の前の光景へと歩み寄っていった。
丸裸で日に焼け焦げ、口の周りはよだれと泡だらけ。
そんなグロテスクとも言える犬の死体をつまみ上げ、青年は目を輝かせていた。
腰に縛り付けたナイフを引き抜き、その死体の一部を引き裂くと、
躊躇なく口に放り込む。
ナイフを戻しながらしばらくもぐもぐと舌の上で転がしていたが、
それを飲み込むと、両腕で抱え込んでそのまま犬にかじりついた。

噛みつく間の息継ぎに、短くえづきながら肉を飲み込む様子は
もはや心ここにあらずといった風だ。
口の周りや手や服を真っ赤にしながら、引きちぎったり、切り裂いたり、噛んだり飲み込んだりと
忙しく彼がもてあそぶうちに、犬の死体はすっかり骨だけになってしまった。

足のものらしい、特に太い骨を未練がましくかじりながら、
彼はきょろきょろとあたりを見回す。
そして目に入った紫色の草を見つけると、
食後の口直しに、とするかのように引っこ抜こうとした。
「?」
しかし、植物は非常に強く根付いていたらしく、
少し力を入れたくらいではびくともしないのだった。

かけているゴーグルの奥の目は暗く伺えないが、
彼は不満そうに口をへの字に曲げた。
今度はより強く、全身全霊をかけて引っ張る。
わずかに動いた気もするが、まだ彼は植物に勝てなかった。
何度も繰り返すうちにしびれを切らしたのか、
ううううう、と唸り声をあげながら、彼は後ろへ振り向いた。
「なあ・・・」
何かに話しかけようとして、
そして、おっと、という表情で口をつぐむ。
やれやれ、と言わんばかりに頭の後ろに手をやった彼の後ろから、
かすかに低い地響きのような音が聞こえてきた。

道の向こうから、三台の『虎』が列をなして、まっすぐ走ってきた。
虎は過去の世界の遺産だ。こうして馴らされている道の上なら、風のように速く駆けることができる。
そしてその背には、人にはとうてい運べないような多くの積み荷を載せることができるのだ。
その特性から、荒野で生き延びる人々の街と街を繋ぐキャラバンの人々が操ることの多い存在だった。
おそらくこの三台もそうしたキャラバンのひとつなのだろう。
虎たちの姿を見据えた青年は、道の真ん中に立って、彼らに向かって手を振った。
彼の鼻先まで来た虎たちは、甲高い耳障りな鳴き声を立てながらゆっくりと足を止めると、
ラッパのような高い高い遠吠えをあげた。
「なあ!
 積み荷はなんだ!?」
青年がそれに負けないような大声で訪ねると、虎の背から声がした。
「天使だよ!遺跡の果ての街まで届けんだ、さあ退いた退いた!」
「何か食えるもんは?」
「ないね!あっても流れ者なんかにゃやらんよ!」
「そうか....
 じゃ、おっさん達、このへんで妖精を見なかったか?」
「妖精?」
「ああ、こう、樽みたいなカッコでさ」
「妖精なんぞ、見てたらとっつかまえて、とっくに売りさばいとるよ。
 さあ、俺たちゃ急ぎの旅なんだ!
 納期に間に合わんとくちなし村の魔物の餌にされちまう。
 坊主、早くそこをどかないとひいちまうぞ!」
虎の背には、この世界では珍しく恰幅のよい、禿頭で初老の男が乗っていた。
「ちぇっ、荒いなァ」
青年は男の言葉に従って、道の脇へよけてやった。
虎たちは再び雄叫びをあげると、一台、また一台とゆっくり動き始めた。

だが、三台目は動かないままだった。
ふと足下を見ると、あの紫色の草がいつのまにやらツタのように伸びて、足首に絡みついている。
三台目の虎の黒い車輪にも同じようにぐるぐるとツタが巻き付き、そのせいで動けないようだった。
「あー、あー」
屈み込み、手でゆっくり足から植物をはがしていると、
彼の目の前で、見る見るうちに虎はツタに飲み込まれ、紫色のぼさぼさした塊になってしまった。
塊の中から若い男の悲鳴が聞こえたような気がするが、
別の男たちの叫びにかき消された。
「うわああああ!なんじゃこりゃああああ!!」
「草がー!草がーああああー!」
前を進んでいた二台も、徐々に伸びてくるツタに絡みとられている最中であった。



後ろ側の虎に乗っていた男はどうにか中から這いだして、塔の瓦礫の脇まで逃げ出していた。
その男が叫ぶ。
「まだ親方が中に!まだ親方が中に!」
それを聞くと、青年は襲い来るツタを払いのけながら、
一対のナイフを両手に構え、虎に向かって飛びかかった。
引っ張ってもびくともしなかった紫の草は、銀色に輝くナイフのひとふりであっさりと引き裂かれる。
「なんだ、最初からこうしてりゃよかったな」
植物の切れっぱしを口に詰め込みながら、彼は最後尾と同じ外見になりつつある虎の上に駆け上がる。
ざっく、ざっくと草刈りでもするようにナイフを振り回し、実際伸び続け絡み合う草を刈りながら
青年は中にいるであろう男に呼びかけた。
「おっさん、生きてるか?」
耳を澄ますと、虎の厚い皮の向こうから、どうやらまだ返事が聞こえる。
「~~~!!」
「よーし、頭は下げといてくれよ....」
彼は逆手に構えたナイフとともに両腕を勢いよく振りあげると、
「ハゲ頭をよけいひどくしたら悪いからな!」
虎の金属で出来た背を、柄で力一杯殴りつけた。
があん、と雷の落ちるような音がして、大穴が開く。
彼はその穴に手を突っ込み、思い切り横へ引き裂いた。
中では先ほどの男が、言われたとおりに身を屈めていた。
「畜生....誰がハゲだ、坊主...」
「なんだって?」
「誰がハゲだと言っとるんだ!」
「口は閉じてた方がいいぜおっさん。これ、食ってもあんま旨くないからさ」
そうする間にも植物は彼の足へ、腕へ、伸びて伸びて絡みつく。
「さ、掴まれ!」
「ぬうう....」
振り払い腕が自由になった隙に、彼はナイフを鞘に戻し、右腕を穴の中へ伸ばした。
服の袖と黒い皮の手袋の間からのぞく、華奢とも言えるほど細い彼の手首を、男の肉付きのよい手ががっしと掴む。
こいつに自分を持ち上げることなどできるのだろうか、
こんなことならもう少し痩せておけばよかったか、
男がそう一瞬脳裏にひらめかせる間に、
「おりゃーーっ!」
「のわーーーー!?」
青年は男を軽々と持ち上げた。
どころか、穴から引っこ抜いて投げ飛ばしたと言ったほうが正しいようだった。

「ぎゃあ!お、親方ー!!」
ツタの上に放り出された男の喉の奥から、ギャフン、と声が聞こえた気がした。
塔の陰で固唾を飲んで見守っていた先の生存者がすっとんで来て、
道の端で植物に飲まれそうになっている『親方』に手を貸す。
どうやらこの紫の植物は、どういうわけか道の上にしかツタを伸ばせないようだった。
ようやく安全地帯に逃げ込めた禿頭の男は、悪態をつきながら荒いだ息を整えようと膝をついた。
「くそ、あのガキ!もうちょっと方法ってのがあるだろうに!」
「まあまあ親方、命が助かっただけでも儲けもんですよ....」
「....あ、あいつはどこに?」
振り向くと、虎の上に彼の姿はない。すっかり飲み込まれてしまった三台の虎が、まるで動物のように自在に動く植物に、少しずつ締めつけられ、ぎりぎりと断末魔をあげているところだった。
「喰われちまいましたかね、虎ごと」
「....ふん、無茶しやがって、若いのに」
「グレッグは....」
「あの様子じゃお陀仏だろう....
 まったくどこに魔物が潜んどるか、一寸先は闇だな。
 さてどうしたもんか」
魔物には歯が立たない、人間としては逃げるが勝ちだ。
だがしかし、商売道具の全てはこのツタの中。
それどころか、虎の足がなければこの遺跡を抜けるのにどのくらいかかるかわからない。
『くちなし村』にたどり着けるかどうかさえ怪しいのだ。
「さて...さて、どうしたもんか.....」
男が口に手をあてて思案していると、
付き従う者の方が、未だうねり続ける紫の道を指さして叫んだ。
「ああ!親方、あれ!」



虎の上から引き落とされ、紫の波に飲まれ、締め付けられながら、青年は
せめてこの絡まる植物の中から脱出しよう、ともがいていた。
伸ばした左手の先が何かに触れる。
「ん」
冷たい感触だが、虎の平坦な身体ではなく、ごつごつとして、それでいてなめらかな何か。
虎と同じ金属には違いない。男が積み荷だと言っていた『天使』だろう。
「天使....天使か」
ふと、姿を消した相棒のことを思い出した。
何かを訪ねるたびに、過去の世界の事を逐一、余計なことまでペラペラと話したがるおしゃべりな相棒。
「(あいつの言うには....
 腹減ったな....
 違う違う、なんかいいこと言ってた気がするな、
 天使....妖精....天使....?)」
ギリ、と胸元の圧迫感が強まる。この植物は
彼を絞め殺したのち、栄養としておいしくいただこうとしているらしかった。
なかなか息の根を止めない獲物に、じれったさを感じているようだ。
「くそ、血が止まっちまうだろ、ただでさえあんま流れてねーのに」
無理矢理に伸ばされたままの腕を自分の身体に引き寄せると、腰のナイフをどうにか掴みなおし、胴体に巻き付くものを切り裂いた。
すぐに他のツタが跡を継ぎ、実質の意味はまったくなくなってしまったが、頭の中には何かひらめくものがあった。
「血が....血?」

《このあたりで見つかる『天使』は、皆同じ種類でしょう?
この型のアンドロイドが大量廃棄された理由は、オイルに高濃度の汚染物質が使われていることが発覚したからでした。
 こんな危険物質を家庭で動かすわけにはいかない、と回収騒ぎになり、結局各地の危険物処理上で処分されたんです。
 しかしあまりに大量すぎて処分しきれず、テキトーな場所に埋められたものもありました。
 まあいわゆる不法投棄という奴ですね、それがこの場所だったと言うわけです》
「オイル?天使って食えるのか?あんな見た目でも?」
《....食用のオイルとは違いますよ。油にもいろいろあるんです。
 この場合は、アナタがたの言葉で言えばー....

 そうですね、『血』とでも言い換えればいいでしょうか》

思い出した。
次から次へと絡みつくツタを無理矢理切りはがしながら、彼は天使に触れた方へと少しずつ身体を動かしていく。
ようやく掴んだのは天使の手首だった。
「(草より脆い)」
そのなめらかで、冷たくて、限りなく美しい鋼鉄の手首を、
彼は全身の力を振り絞り、思い切り引っこ抜いた。
彼には見えなかったが、天使の血は草よりもずっとずっと濃い、まるで夜の闇のような深淵の紫色をしていた。


ざざざざざざ、と音を立てながら、
もはや川のようになっていた紫の群の真ん中から、ツタが波のごとく引いていく。
まるで毒を飲んで苦しむ蛇のように、無数の草の足がのたうちまわっていた。
「どうなってんだ....」
突然の事に思わず立ち上がって覗きこんだ男は、その中心から何かがすっ飛んでくるのを見て、反射的に数歩後ずさった。
「ああ!?何だ今度は!!」
「親方!」
ツタが引いた後の、もとの切れ目ひとつない道には、どうやら金物らしい何かが転がっていた。
どくどくと毒々しい何か液体を垂れ流している。
飛んできたのは....天使の頭だった。
「ぐわあああ!どたま!?」
投げ飛ばしているのはもちろんあの青年。
「おお坊主生きてやがったのか.... って、
 何しとるんだうちの売りもんにィィッ!!」
「悪いなおっさん、半分くらいは残しとく!」
「弁償しろ!どうにか弁償しろ!
 ああ、俺様のかわいい天使ちゃんが、あああ....」
引きちぎられた天使の一部が飛んでいくたびに、そこにあったツタは天使の血に飲まれ、同じ深淵の紫に染まり、枯れていく。
載っているものの危険を察知して退いていったのか、
青年の立っている虎の背、引き裂いた大穴のある一台目の虎には、もはや蠢くツタは少しも絡んではいなかった。
彼は天使の血にまみれたまま、二人の男に向かって手を振った。
「早く、今のうちに!今なら逃げられるぜ」
一瞬呆然としていた二人だが、慌てて虎に駆け寄り、乗り込む。
禿頭の男が手綱を掴むと、虎は失われていた吠え声を静かに、徐々に高ぶらせ、
そのまま彼らを乗せて道を突っ走りはじめた。
植物は血塗れの虎の行く先を阻まず、まるでモーセが海を割るかのように波のごとく退いていく。
三人を乗せた虎は、紫と灰色の道をまっすぐ、後ろの光景が消えるまでどこまでも駆け抜けるのだった....








長い間、がたがたと揺れる道中、三人は沈黙していた。
「....さて、と」
天井の大穴から風を受ける虎の体内で
手綱を握ったまま、禿頭の男はようやく口を開いた。
「坊主。どうしてくれようか」
「....」
「親方、命があっただけでも、ホントよかったですって。
 こいつがいなかったら虎二台どころじゃすみませんでしたよ」
「グレッグは死んじまったんだぞ!
 全く、天使60体きっちり集めるのにも散々苦労させられたんだ、それが今じゃたったの10....
 くちなし村の領主に合わせる顔がないっての!」
「....」
「いいか、あすこの領主は城の中に化け物を山のように飼ってるんだ....
 今日生き延びたって、俺たちも明日には奴らに喰われちまうかもしれんのだ。領主の機嫌を損ねちまったら」
「逃げちゃいましょうよ、もう。あの領主ロクな男じゃあありませんし」
「俺だって逃げたいわい!しかしこの状態で村に寄らずに帰れるか!」
「それこそ野垂れ死にますね。水も食い物も補給せにゃ」
「はあ・・・・どうしたもんか....」
「どうしたもんか....」

ため息の中、なおも虎は道を駆け、
第二の死が待つか、生き延びる秘策が見つかるかわからない
『くちなし村』を目指すのだった。


虎の背では、食物と聞いて一瞬がた、と立ち上がりかけた青年が
補給せにゃ、と聞いてずるずると座り込んでいたが、
二人の男は知る由もなかった。
「....腹減ったなァ....」


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